2018年01月21日
私の右手指の障害についてのシリーズ第2弾です。
前回同様、右手の指に以下の記号を使います。
p:親指
i:人差指
m:中指
a:薬指
ch:小指
■兆候・発症・進行
ちょっと長くなるかもしれませんが、今回は私の右手指の動きがおかしくなってきた経過について書こうと思います。
幸いなことに、2010年1月から2015年4月までの間に人様の前でギターを弾いたときの記録 ~曲目と気になったことなど~ が残っていますので、それを参照しながら当時のことを思い出していくことにします。併せて、フォーカル・ジストニアとは関係ないかもしれませんが、身の回りで起こった出来事なども適宜織り交ぜていきます。
◆まず、記録以前のこととして、昔からトレモロが苦手でした。1弦はともかく、2弦や3弦のトレモロでm指が高音側の弦に当たってしまう。なので「アルハンブラの思い出」を人前で弾いたことはほとんどありません。
◆2012年4月に前立腺の全摘出手術を受けています。
◆2013年8月(門下生コンサート)
ヴィラ・ロボスの「前奏曲第4番」で『アルペジオの指が回らず』とのメモがあります。このときのことはよく覚えています。中間部のpimaのアルペジオのところで、このままの速さで弾き続けると指が動かなくなるような気がして、急速にスピードを落としました。
これが右手指に違和感を感じた最初だと思います。それ以前も演奏中の空振りはありましたが、散発的であり、指の不調を疑うことはありませんでした。同年5月の山陰ギターコンクールは(タンスマンのダンサ・ポンポーザとか)まずまず弾けていたので、突然のあの感覚は何だったのだろうという思いです。
◆2013年10月(地元の町民文化祭)
「禁じられた遊び」のコメントで『余裕を持って弾けた』とあります。思い出せないのですが、弾けて当たり前の曲にわざわざこんな事を書くということは、直前に何か気がかりなことがあったのかもしれません。
◆2013年11月(地元の音楽祭)
「にんじゃりばんばん」で『mipが回らない』との記録。えーっと「にんじゃりばんばん」はご存知ですか? きゃりーぱみゅぱみゅの人気曲で、それを私がギター三重奏用に編曲したんです。で、私のパートに m-m-mipi m-m-mipi mipimipi mipimipi ・・・ というアルペジオが出てくんですが、それがうまく弾けなかったと言っています。どうごまかしたんだったか。
◆2014年5月(アンダンテ土曜ゼミ)
ヴィラ・ロボスの「練習曲第12番」で『空振り、誤弾弦など。右手の位置を意識する必要あり』とあります。どの部分のことを言っているのか覚えていないのですが、たぶん1弦←→6弦を行ったり来たりする部分か、5弦6弦を同時に弾く部分ですね。どっちにしても指使いは ami で弾いていたと思います。
◆2014年7月(某病院のロビーコンサート)
ペルナンブーコの「鐘の響き」で『空振りがひどかった』。これはよく覚えています。冒頭アウフタクトから入って、1拍めの裏でいきなり空振り。最初から弾き直したものの、曲の最後にたどりつくまでにどれほどの空振りをしたことか。
このときに、自分の指にただならぬことが起こっているのだとはっきりと自覚したのでした。当時のブログにも書いています。
http://ajitei.sblo.jp/article/101362097.html
パソコンを打つときもおかしいと書いてありますね。ギターとPC、どちらが先だったのだろう。そして、どちらか一方が原因なんだろうか。
◆2014年12月(プチ発表会)
「南のソナチネ」を弾いて、ある方から『音がキンキンしていた』とコメントをもらいました。自分でも分かっていました。曲がったままの指を強引に弦に引っかけるようなタッチになっていましたから。
◆2015年4月(長崎ギターコンクール)
ソルの練習曲(セゴヴィア番号で#20,#1,#2)その他を演奏しました。このときはm指が勝手に曲がることが分かっていたので、それを少しでも防ごうと、指の甲側に絆創膏を貼って(写真)演奏しました。でも全然ダメダメでしたが。
多少の伸縮性があるので、伸びっぱなしで演奏できないということはありません。
◆2014年頃からの約2年間は仕事がものすごく忙しかった。帰りは連日終電、あるいは会社近くのホテル泊。ホテルにも行けない徹夜もしばしばあり、二晩の合計睡眠時間が1.5時間ということもありました。レッスンも2014年3月を最後に行けなくなりました。そんな中、強引に休みを取って長崎に行ったのでした。たまの休日は朝から晩までギターを弾いていました。
こうしてみると、2013年が私の「ジストニア元年」ですね。その頃から、曲あるいは音型(指の動作パターン)によって
・速く動かない
・空振り
・引っかけるような動き
といった症状が徐々に出てきたようです。
記録は長崎ギターコンクールが最後です。その後はというと、上で書いた症状がよりひどくなっています。つまり、それほど速くない曲も弾けなくなり、空振りや引っかけがよりいっそう頻発するようになりました。
最近は、m指を物理的に曲がらなくするツール(下の写真)を作って、それでゆったりした曲をどうにか弾いていますが、症状としては今が最悪です。ということは、あまり考えたくはありませんが、今後さらに悪化する可能性もあるということですね。
トイレットペーパーの芯を輪切りにしたものに、ウレタンスポンジを詰めたものです。輪ゴムでm指に装着します。
上の絆創膏も含めて、こうすることが快復につながるのか、より悪化させるのか、関係ないのか、そこのところは分かりません。
このシリーズは、もうすこし続けたいと思います。
・私が得た情報源などのご紹介
・これまでやってきたこと、これからやろうとしていること
などを書いていくつもりです。
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