局所性ジストニア その6

2018年11月11日

残念ながら、私のフォーカル・ジストニアは悪い方向に進行していることを認めざるを得ません。以前はa指につられてm指が曲がるのが主な症状でしたが、最近はそれだけでなく、m指につられてi指が曲がるようになってきました。

原因はやはり弾きすぎのせいではないか、特に、黄瀬川ギターコンサートに向けた練習で動かない指を無理やり動かしたりしたのが悪かったのでは無いかと考えています。それで、しばらくギターを弾くことを休もうと思っているのですが、これについては最後に書きます。

その前に、フォーカル・ジストニアの対策としてこれまでやってきたことを書いておきます。これらによって症状が改善した人がいるという事項も含まれますが、必ずしも私に効果があったということではないのでご注意ください。

■毎日の練習
楽譜を掲載しておきます。ネットで見つけた、どこか外国の方が弾いていたものを元にして、あちこちのテキストの情報を混ぜて、自分流に作り変えたものです。

(楽譜は削除しました)

ご覧のとおりアルペジオの練習です。imaがいろんな順序で出てくるようになっていて、12パターンあります。それだけでなくpとの組み合わせでimaの動きやすさが違うような気がしたので、pもいろんなタイミングで出てきます。

これを、確実に弾ける速さから始めて、徐々にスピードを上げていこうという魂胆でした。

実際にやったのは、
・16分音符をメトロノームで48に合わせるところから始める
・毎日12パターンすべてを弾く(順序は日によって入れ替える)
・1週間たったらメトロノームを1だけ上げる(48→49→50・・・)
という要領で、3年前(2015年)の秋からおよそ1年間続けました。

1年後にはメトロノームが100くらいになったわけですが、目論見は見事に外れてしまいました。特にパターン2やパターン7あたりが徐々に弾けなくなり、それでもメトロノームに合わせるために、強引に曲がったままの指で弦を引っ掛けながら弾き続けるという無茶を続けてしまいました。こんなことも悪化の一因かもしれません。

まあ、どういうパターンが動きにくいかを見極めるためならば、使える楽譜かもしれません。

■アンドーヴァー
直接的にフォーカル・ジストニアがよくなることを期待して行ったわけではありませんが、ここで教わった「筋感覚(自己受容感覚)」というものが役立っています。「筋感覚」とは、大雑把に言えば、体の各部位の状態がどうなっているかをセンスする能力です。

この概念を知ったことで、自分は日頃から腕に力が入っていることが多いと認識するようになりました。だからと言って、うまく力を抜くことはなかなかできないんですが。

なお、「アレクサンダー・テクニーク」でフォーカル・ジストニアの症状が改善したという例はあるようです。

■鍼灸マッサージ
文献等に鍼灸でフォーカル・ジストニアがよくなったという例がありますが、私には効果がなかったようです。もっとも、最初に最低でも半年はかかると言われたところ、仕事の都合などで定期的な通院が難しくなって、5ヶ月で10回ほどしか行けなかったんですが。

ここでは「筋肉が硬くて、しなやかさがない」というようなコメントをもらいました。やはり普段から無駄な力が入っているんでしょうかねえ。

■医療機関
病院は2カ所に行きました。ふたつとも診療科が20以上ある総合病院です。

いろんな検査を受けて、結局はフォーカル・ジストニアだろうとの診断がなされたのは以前書いたとおりです。

文献にあるような説明を受け、文献と同様に有効な治療法はないと言われています。「アーテン錠」を処方されましたが、効果があるようには感じられず、一方で副作用が不快だったのでやめています。

■今後について
今はふたつのことを考えています。

ひとつは、もう一ヶ所だけ医療機関を訪ねること。東京に「音楽家外来」の看板を掲げているところがあるので、そこに行ってみようと思っています。「音楽家」というのがなんとも面映いですけど。

もうひとつは、最初に書いたようにギター演奏をしばらく休むことです。どんなに気楽な集まりでも、人前で演奏するとなるとそれなりの練習は必要なわけで、そのためいったん楽器を手にすると何とかしてちょっとでもまともな演奏になるように無理をしてしまう、というのがこれまでのパターンでした。

なので、ギターを手にする必要が無いように、演奏機会を作らないことにしました。具体的には「黄瀬川ギターコンサート」と「黄瀬川ギターサロン」を終了します。楽器を担いで県内外に遠征することも止めにします。これらについては、これまで多くの皆さんにあれやこれやと大変お世話になりました。ありがとうございました。

休止期間がどれくらいになるか見当がつきません。まず1年間は休んで、その時の様子でさらに延長もありうると考えています。

ま、楽しみは音楽だけではないし、音楽の楽しみもギターだけではないし、ギターの楽しみも弾くことだけではないので、退屈するという心配はしていません。

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