欠陥工事

電気工事士の免状が届きました。

さっそく、計画していたコンセントの増設をやって、それはできたのですが、その際に我が家の電気工事がとんでもない品質であることが判明して、唖然としています。

■「接地・非接地」その1
まずは増設するコンセントへケーブルを分岐させようと、既存のコンセントの配線を見てみました。

壁の中に石膏ボードの破片などが残置されたままだったことにも呆れましたが、それよりもコンセントの「N」側に黒線が接続されていることに驚きました。

各家庭に引き込まれている100Vの電気は交流ですが、安全のため、2本の線には「接地側」と「非接地側」の区別があります。で、「N」は接地側の線を接続する端子で、接地側は白線と決まっています。

まさか大元のブレーカから線の色を違っていないかと心配になりましたが、確認したところ白線が「接地側」であるところまでは合っていたので、コンセントへの接続だけが違っているようでした。これならば自分で直せます。それにしても、これを間違えたら電気工事士の試験は一発で不合格です。

■「接地・非接地」その2
次に、新設するコンセントへのケーブル引き回しのために、壁の反対側にある照明スイッチを一時的に取り外しました。

すると、スイッチに赤線と白線がつながっています。これもおかしいです。赤線は照明器具につながっていると推測され、それはいいのですが、白線というのがおかしい。ここは黒線(非接地側)でなくてはならないんです。

これも安全のために決まっていることで、私が勉強したテキストでは第一章の前の「はじめの一歩」に記載されているくらいに基本中の基本事項です。

※ 『第2種電気工事士筆記試験すい~っと合格(2023年版) 』オーム社 から引用

しかし、これは簡単には直せません。天井裏にあると想定される照明器具への配線も変更する必要があるからです。

■銅線露出
ともあれ天井裏の配線にアクセス可能かどうか見てみようと照明器具を取り外しました。天井には引掛シーリングがあるだけなので、やはり配線の変更は難しそうだと思いつつ、電線を引き出してみたところ・・・

引掛シーリングに接続されている電線の銅線がむき出しになっています。しかも2本とも。

恐ろしいことです。もしも昆虫や小動物が入り込んでショートさせたら火災も起きかねません。もはや「白線」「黒線」どころの話ではありません。よくこれまで34年間も無事でいてくれました。

あまりにひどい工事なので、業者を呼びつけて家中の配線をやり直させたいところですが、現行の法律でも瑕疵担保責任の期間は10年らしいです。

といって、このまま放っておくわけにもいきません。今後、万一火災事故などが起こったら、不具合を知りながら対策をしなかった私が責任を問われることになりかねません。ということで、取り急ぎ、「接地側」「非接地側」の問題はそのままに、ともかく電線を短く剥き直して銅線が露出しないように対策しました。

■総点検
しかしこうなると、他の箇所も気になってしかたがありません。家中の配線の点検が必要です。

コンセントの極性は、最初に見たところ以外は合っていました。

照明とスイッチの接続関係(照明器具に接地側、スイッチに非接地側がつながっているのが正しい)は、合っているのが半分くらい。これって、なんの考えもなくテキトーに繋いだから確率的に半分が合っていたということなんでしょうね。

その照明器具ですが、我が家には電球を使用するダウンライトがいくつかあります。受け側は電球をねじ込むソケットになっていて、ご承知のとおりソケットのネジの部分は電極になっています。で、ネジ部分は電球交換の際にうっかりすると手を触れかねないので、安全のため、ネジ側には接地側の電線を接続することが原則となっています。

しかし、そもそも照明器具に接地側の電線は来ておらず、非接地側の電線が来ているという問題があるわけですが、それに輪をかけて、その非接地の電線がこのネジ側に接続されている箇所までありました。これはつまり、たとえスイッチを切っていてもネジ部分に触れたら感電するということです。危ないったらありゃしない。

コンセントやスイッチなど各器具への接続は、上に載せた引掛シーリングほどひどいところはありませんでしたが、下の写真のように銅線が見えているところは何箇所もありました。

ということで、とても有資格者がやった作業とは思えません。ただ不思議なのは、一箇所を除きコンセントの極性だけは合っていたことなんですよねえ。

■修理
まだ全部を確認したわけではありません。そして困ったことに、確認や対処ができないところもあります。

壁の中の配線は、スイッチやコンセントを外せばだいたい作業できそうです。問題は天井裏です。2階の天井裏(つまり屋根裏)は点検口から入り込むことができるので、なんとかできるかもしれません。どうしようもないのは1階の天井裏、すなわち2階の床下です。天井に体が入るほどの穴を空ける? それも何箇所も? 無理ですよねえ。

つまり、照明とスイッチの接続関係を正しい形に直せないところがあるということです。なので、せめて電球ソケットのネジ側への接続を非接地側じゃなくてスイッチにつながる線(スイッチを経由して接地側につながる線)に変更しておくことにします。そうすれば万一ネジ部分に触れても感電するおそれはなくなりますから。

使用されているコンセントやスイッチなどの器具類は東芝製で、まともな品質のものです。ただ、プラスチック部品がもろくなっていて、ツメなどが簡単に欠けてしまいます。30年以上も経っているのでしかたないですね。

この際なので、家中のスイッチやコンセントを新しいものに交換しつつ、不良箇所を直していくことにしようと思います。ただ、すべての交換作業を終えるのは年内中が目標。

取り外した古いスイッチと、取り付けた新しいスイッチ

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2件のコメント

  1. うわ!。教科書に載ってる欠陥例そのものですね。これは直さなくては。複線図を見ながら配線色を追っかけたいところです。

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