映像的に最も美しい段を読もうと思います。が、その前に、前段からの流れで「匂い」についての二題。 第二百六段 【本文】[是亦一段也]五月のさうぶの秋冬過るまであるが、いみしうしろみかれてあやしきを、ひきおり[イとり]あげた… 続きを読む 【枕草子春曙抄】五月のさうぶの/よくたきしめたるたき物の/月のいとあかきに
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北村季吟の「枕草子春曙抄」によって、清少納言の「枕草子」の中の面白そうな章段を読んでいきます。
【枕草子春曙抄】五月ばかり、山里にありく/いみじうあつき頃
さわやかな季節に、里山にハイキングに行った清少納言。 第二百四段 【本文】[是より例の筆のすさひ也] 五月ばかり、里山にありく、いみじくおかし。 沢(さは)水も、げにたゞいとあをく見えわたるに、うへは、つれなく草おひしげ… 続きを読む 【枕草子春曙抄】五月ばかり、山里にありく/いみじうあつき頃
【枕草子春曙抄】二月つごもり
「香炉峰の雪」と同様に、定子サロンでの振る舞いを自賛する段。 第百十一段 【本文】二月(きさらき)つごもり、風いたくふきて、空いみしくくろきに、雪すこしうちちりたるほど、黒戸(くろど)にとのもづかさきて、かうしてさふらふ… 続きを読む 【枕草子春曙抄】二月つごもり
【枕草子春曙抄】雪、いとたかく
枕草子の中で「春はあけぼの」についで有名な「香炉峰の雪」の段を読んでみます。 第二百八十二段 【本文】[是より別の物かたりなり] 雪、いとたかく降たるを、れいならず御格子(みかうし)まいらせて[ここにてはおろしをく也]、… 続きを読む 【枕草子春曙抄】雪、いとたかく
【枕草子春曙抄】笛は
前回に続き、清少納言が音楽について語っている段を読みます。 第二百二段 【本文】笛は よこぶえ、いみじうおかし。とをうよりきこゆるが、やう/\ちかうなりゆくもおかし。ちかゝりつるがはるかになりて、いとほのかにきこゆるも、… 続きを読む 【枕草子春曙抄】笛は
【枕草子春曙抄】凡例、参考文書など
表記は原則として以下によっています。 ■版本の1文字に1文字の表記を対応させる。送り仮名などを補ったりしない。■漢字の旧字体はできるだけそのまま残す。■異体字は現在普通に使われているものに置き換える(异→異、帋→紙など)… 続きを読む 【枕草子春曙抄】凡例、参考文書など
【枕草子春曙抄】引ものは
枕草子には音楽について書いてある段があります。今回と次回はそれを読んでいきます。 第二百一段 【本文】引ものは琵琶。さうのこと。 しらべはふかうでう。わうしきでう。そかうのきう。うぐひすのさへづりといふしらべ。さうふれん… 続きを読む 【枕草子春曙抄】引ものは
【枕草子春曙抄】春はあけぼの
北村季吟の「枕草子春曙抄」で読む枕草子、いよいよ本文に入っていきます。 春曙抄は、枕草子の本文とともに、季吟先生による解説が書いてあります。解説は基本的にページ上部に「頭注」の形で載っており、入りきらない分は本文の後ろに… 続きを読む 【枕草子春曙抄】春はあけぼの
【枕草子春曙抄】序文(後半)
春曙抄の序文のつづきを読んでいきます。 表記の原則、参考文献等はこちらをご参照ください。 【序文(後半)】 此草紙、異本さま/\なり。或は二冊、或三冊、或五冊。一決(ケツ)しかたし。古今和哥集、後撰集、源氏物語等は、定家… 続きを読む 【枕草子春曙抄】序文(後半)
【枕草子春曙抄】序文(前半)
古文書読解の練習を兼ねて、春曙抄の版本から読めそうなところを読んでいきたいと思います。もちろん独力で完全に読解するのは無理なので、あの手この手を使っていきます。 第一の参考書は島内先生の本。枕草子 清少納言 / 島内裕子… 続きを読む 【枕草子春曙抄】序文(前半)